青森県りんご対策協議会、植栽150周年でメディアセミナー

 青森県りんご対策協議会は11月4日、都内でメディアセミナーを開催した。今年は青森りんご植栽150周年にあたり、会場では旬の県産リンゴ7種の試食も催された。

 基調講演「腸内フローラと食物繊維:健康長寿に向けて」には、京都府立医科大学大学院医学研究科教授の内藤裕二氏が登壇。「健康な老化と食物繊維食材には正の相関あり」として、リンゴをはじめとする果実類、全粒穀物、野菜、ナッツ・豆類など植物ベースの食事の重要性に言及。また、「リンゴは低カロリーなうえ栄養価の高いフルーツ」とし、「リンゴの水溶性食物繊維であるペクチンは、腸内細菌によって発酵されやすい高発酵性で、代謝物の短鎖脂肪酸となることで、炎症や代謝、免疫、アレルギー、食欲、中枢機能など様々な健康機能に作用する」と強調。また、「果汁飲料にすると果皮に含まれる食物繊維が削がれるのでそのまま食べるのが望ましい」とした。

 内科医で消化器病専門医の工藤あき氏は、「リンゴが“ドクターズフルーツ”と呼ばれる理由は、三大栄養素であるタンパク質、脂質、炭水化物をはじめ、食物繊維や、ポリフェノール、美肌や抗疲労に寄与するビタミンC・E、カリウムなどのミネラル分が理想的なバランスで含まれているため」と解説。中でもポリフェノールによる抗酸化力については、20~39歳健常女性65人を対象とした臨床試験による美肌効果に言及。「患者の関心も高い」とした。このほか、「西洋には“一日1個のりんごは医者を遠ざける”ということわざがあるが、日本にも、“リンゴが赤くなると医者が青くなる”ということわざがある」などとした。